[シルモ行こうぜ!⑦]日本ブランドの6ブースを一挙公開!! 今年のシルモどうでした?後編

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メガネコラム : 019

[シルモ行こうぜ!⑦]日本ブランドの6ブースを一挙公開!! 今年のシルモどうでした?後編

1967年からフランスで開催されているメガネの国際見本市「Silmo Paris(シルモ・パリ)」は、ヨーロッパ最大級のメガネ展示会であり、世界の名立たるハウスブランドが集結するメガネバイヤーの聖地。引き続き、パリで奮闘する日本ブランドの6ブースを紹介します!

シンプルでクリーンを目指した
「メガネアンドミー」のブース

毎年秋にフランスで行われるヨーロッパ最大級のメガネ展示会シルモ・パリ。 ここではパリで奮闘する日本ブランドの6ブースを取材し、ブランドのみなさんに同じ質問をぶつけてみました。


[シルモ行こうぜ!⑦]megane and me 1

■お話を伺った人/megane and me(メガネアンドミー)のデザイナー塚越清香さん


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


2013年のブランドデビューから連続で4回目です。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


日本国外のお客様を増やすことです。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


シンプルでクリーンなブースにしてブランド名と商品に注目がいくようにしています。


[シルモ行こうぜ!⑦]megane and me 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


少しずつですが国外のお客様が増えています。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい。


「ハイクオリティとデザインを両立している」「こういうことができるのは日本人だけ」などです。


[シルモ行こうぜ!⑦]megane and me 3

NORAH 3万5000(税抜)


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


わかりませんが、美しいものを作りたいと思っています。


——日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


ヨーロッパは属しているクラスの差が着ているものや掛けている眼鏡にも表れているように感じますが、日本はもっと自由度の高いミックス感があるように思います。


——日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?


感じませんでした。

シルモ初出展!! 柔らかく心地良い
「アキット」のブース

[シルモ行こうぜ!⑦] AKITTO 1

アキットの川上明仁さん・智子さん


お話を伺った人/AKITTO(アキット)のデザイナー、川上明仁さん


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


今回が初出展でした。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


世界中のバイヤーさんにAKITTOというブランドを知っていただきたいという思いで出展しました。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


柔らかく心地良い空間にするために、生花、ゴッホによる梅の壁紙でデコレーションしました。


[シルモ行こうぜ!⑦] AKITTO 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


世界中のバイヤーさん、代理店さんと商談できましたし、沢山の日本のバイヤーさんにもお越しいただきました。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい


「スペシャルだね!」と、言っていただけました。嬉しいことです。


[シルモ行こうぜ!⑦] AKITTO 3

左/ami 4万2000円、右/ami-n 4万2000円(ともに税抜) 


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


いつか成功できるように頑張ります!


——日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


必ずしも顔を小さく見せたがっているわけではないという点は、日本人との大きな違いだと思います。


——日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?


トレンドに大差はないように感じますが、似合う眼鏡は違うと思います。

シルモでも大盛況だった
「アイヴァン 7285」のブース

[シルモ行こうぜ!⑦]EYEVAN 7285 1

■ブランド名/EYEVAN 7285(アイヴァン 7285)


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


2016年の今年が初めてです。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


代理店との契約が終了し、本格的なヨーロッパ進出を果たすこと。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


ブースはEYEVAN 7285のアルミケースをイメージし、外側はシルバー(グレー)で内側はキャメル(ケースのライナーの色)にしました。


[シルモ行こうぜ!⑦] EYEVAN 7285 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


レップを通じて、たくさんの既存店と直接会うことができ、フランスやドイツ、オランダなどのヨーロッパ諸国はもちろん、ヨーロッパ以外の新規開拓もできました。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい。


非常に高かったと思います。「繊細でとても美しいコレクション」「Silmoのなかでいちばん良いブランド」などのコメントを頂きました。


[シルモ行こうぜ!⑦] EYEVAN 7285 3

747 4万8000円(税抜)


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


モノづくりのみならず、各国の優良レップや代理店との人脈。物流やカスタマーサービス、PRなど商品以外でも環境を整えること。


——日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


ヨーロッパのなかではフランスが取扱い店舗が特に多く、現在100店舗近くあるのですが、フランスと日本では製品に求めるイメージが少し異なる感じがします。フランスの方はデザインや質感、色味といった所に商品をセレクトするうえで重きを置いている感じがしますが、日本ではそれに加えて工業製品としての精度の高さをより重視している感じがします。


——日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?


クラシックの延長線上にありながら、新しいイメージを打ち出している物を求めているムードは共通していると感じました。

ギャラリーのような
「マサヒロマルヤマ」のブース

[シルモ行こうぜ!⑦] MASAHIROMARUYAMA 1

お話を伺った人/MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)のデザイナー丸山正宏さん


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


2013年です。今年は4回目になります。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


ヨーロッパでの新規店舗獲得です。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


いつも立体的に見せることを考えています。今回はギャラリーのイメージで柱を立ててみました。それぞれ高さが違うのでリズム感を大切にしました。


[シルモ行こうぜ!⑦] MASAHIROMARUYAMA 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


計画通りヨーロッパでの新規店舗獲得できました。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい。


ヨーロッパのデザインほど大胆でなく日本らしいデザイン提案と言われます。


[シルモ行こうぜ!⑦] MASAHIROMARUYAMA 3

シルモドール(2016)のメガネフレーム部門でノミネートされたMM-0027。4万5000円(税抜)。


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


品質はもちろん、デザイン提案、サイズ感、カラー、素材などのバランスかなと感じます。


−−日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


それぞれ独立した発展をしているのでその差が面白いと思います。日本は特にモノ造り、ヨーロッパは大胆なスタイルを持っていると思います。


−−日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?。


日本だけ違うという時期もありましたが、今は世界的に同じ方向に進んでいると思います。

利き顔”に合わせた斬新コンセプト。
「レチルド」のブース

[シルモ行こうぜ!⑦] Re Child 1

レチルドの伊藤次郎さん。


お話を伺った人/Re Child(レチルド)のデザイナー、伊藤次郎さん。


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


2014年から今年で3回目です。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


出展当初からパリに取扱店を作ることが目標です。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


過去2年は、イメージでブランドコンセプトを伝えようとしましたが、それでは上手く伝わらなかったために、今年は積極的にbrand conceptを英文表示で掲示して読んで頂けるようにしました。


[シルモ行こうぜ!⑦] Re Child 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


間接的にですが、南米のバイヤーからオファーを頂きました。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい。


「独創的で素晴らしい」と評価は頂きましたが、一方「コレクション数が少ないね」と有難いご意見も頂戴しております。


[シルモ行こうぜ!⑦] Re Child 3

Hiro-L0  3万3000円。


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


私は失敗談しか語れませんが、サイズ感をしっかりヨーロッパの骨格に合わせてデザインすることと、brand conceptに沿った統一感のあるデザイン群である必用があると感じました。


——日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


私はパリしか知らないので、パリと日本で比較するのなら、若年層のお洒落度合いは東京もパリも大差ないか、もしく勝るとも劣らないと感じますが、ご高齢の方々の装いに関する意識に雲泥の差があると感じています。眼鏡がトータルコーディネイトするファッションアイテムとして立派に地位を確立していると思えるのです。


——日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?


これは複数の方々と共有した情報ですが、今日本のマーケットだけ異質になっているようです。今日本は脱クラッシック、というより、ウエリントンやボストンに辟易している層が確実に増えていますが、日本以外では未だにウエリントン、ボストン、ラウンド、この3つのバリエーションでお店の棚の9割以上を占めている様子でした。

日本の老舗がシルモで活躍!
「マスナガ シンス 1905」のブース

[シルモ行こうぜ!⑦] MASUNAGA since 1905 1

■ブランド名/MASUNAGA since 1905(マスナガ シンス 1905)


——シルモに初めて出展した年と回数を教えてください。


1990年代後半から、回数はわかりません。


——今年のシルモ出展での目標や実現したかったことは?


常に展示会ではパートナーや顧客とのコミュニケーションをしっかり取ることを意識しています。


——ブースのデザインや、メガネの見せ方の狙いなどを教えてください。


クローズドのブースにして展示も最小限にしています。興味を持っていただいたお客様とじっくりと商談できるブース作りを意識しています。


[シルモ行こうぜ!⑦]  MASUNAGA since 1905 2

——今年のシルモではどんな成果がありましたか?


既存や新規顧客に来ていただき大変良かったです。


——バイヤーからの評価は? 具体的なコメントを教えて下さい。


新しい機構のフレームを説明した際に、「なるほど」「本当?」「お〜!」といったコメントを頂けたことが嬉しかったです。


[シルモ行こうぜ!⑦]  MASUNAGA since 1905 3

「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」のMira 6万円。


——日本ブランドがヨーロッパで成功するには、なにが必要だと思いますか?


よくわからないです。常にポジティブに攻めることを意識しています。


——日本とヨーロッパのメガネ文化の違いを教えて下さい。


あまり深く考えたことはないです。毎回色々と勉強している感じです。単純に違うのはヨーロッパでは7〜8月は夏休みでビジネスが完全に止まることでしょうか(笑)。


——日本とヨーロッパでメガネトレンドの違いは感じましたか?


トレンドの違いは感じないです。ただヨーロッパで売れるもの、日本で売れるもの、両マーケットで売れるものはあります。ヨーロッパでも国によって好みも違います。


——さてさて、前後編合わせて合計12日本ブランドのブースを紹介させていただきました! この記事を参考に、「シルモに出展してみよう!」というブランドがひとつでも増えたら嬉しいです。ではでは〜!

Silmo Paris ACCESS
シルモ・パリ アクセス

  • ■会場
  • Parc des Expositions de Paris-Nord-Villepinte
  • パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
  • ■無料シャトルバス
  • ・ポルト・マイヨー駅前のBoulevard Pershing(ペルシング通り)大型バス駐車場より出発。所要時間は約40分
  • ・シャルル・ド・ゴール空港より出発。所要時間は約15分
  • ■電車
  • ・空港より。RER B線「Parc des Expositions(パルク・デ・ゼクスポジション)駅」で下車。空港ターミナル1駅の隣の駅です
  • ・パリ市内より。電車RERのB3線「Roissy-Aeroport Charles-de-Gaulle(ロワシー・アエロポール・シャルル・ド・ゴール)」方面の終点のひとつ手前「Parc des Expositions(パルク・デ・ゼクスポジション)駅」を下車

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