特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん

特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん_メイン画像

思う存分 メガネトークがしてみたい!

そうだ、あの人に会いに行こう。

メガネのことは大好きだけど、それ以上にメガネの話をするのが好き。
そこで、これまでお世話になった人や、自分が好きな人に会いに行き、
思う存分“メガネトーク”をするインタビュー連載を始めました!

file : 03 | G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん

ファースト・メガネを仕立てた
“恩師のはず”ですが……。

イメージ画像 1 特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん 撮影:藤井たかの

6店舗展開する系列店のなかで岡田さんは最年少(28歳)で店長になった人。僕が会ったとき岡田さんは25歳、てっきり30代だと思ってました(笑)。「よく老けているって言われます……」

イメージ画像 2 特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん 撮影:藤井たかの

「SLOWなメガネの家」がテーマの京都店にはフランスのジェルデやグラといったビンテージな照明や、レトロな手動のディフレクトメーターが並ぶ。インテリアも必見なのだ。

僕が初めてセレクトショップでメガネを買ったのは1999年、地元大阪でのこと。90年代後半の大阪と言えば、南船場に個性的なお店やデザイナーが集まりおしゃれタウンに変貌した時期。当時、南船場にあったG.B.Gafas(今は堀江に移転)は“南船場カルチャー”を象徴するハイセンスなメガネ店で、ここで初任給を使って初めて好きなメガネを買ったのだ。そのときに接客してくれたのが岡田卓也さんである。つまり僕にとって岡田さんは、メガネの魅力を教えてくれた恩師なのだ!

「お久しぶりです、たしか最初に藤井さんがうちの店に来てくれたのは2005年でしたっけ? えっ、違いました? 最初に買ってくれたフレームは……あれ、なんでしたっけ?」

えぇ〜! 僕のこと全然覚えてないですやん……ガックシ。勇気出して告白したら「誰だっけ?」って言われた気分ですよ……。最初に買ったのはG.B.Gafasオリジナル、プラ枠のオーバルでネイビーとクリアブルーのツートーンです!

「オッ、オリジナルでしたかっ!あの頃はイエローズプラスの山岸稔明さんや、スペックエスパスの山岸 誉さんらにデザインをお願いしていたので、両人のどちらかが手掛けた可能性は高いですね」

おおっ! それは初耳。つながりを感じて嬉しいです。当時はどんなブランドを扱っていました?

「アン・バレンタインやフォーナインズ、スピビー、ジャポニスムなどが中心です」

スピビー! 懐かしいっ! 1本もってますよ。それも岡田さんが「まさかオネエ系?」と疑いたくなるテンションで、「生地に細かいラメが入っていて、ブロウの面の角度が攻めている」とかたたみ掛けてきて(笑)。本当にこの人はメガネが好きなんだなって感じました。

「ありましたね。あの時代はエッジを立てたフレームがなかったので斬新だったんです」

確かにそうだったかも。ところで岡田さん、メガネ業界に入ったきっかけは?

「10代後半のときに映画や雑誌で見かけるクラシックな小さいメガネに惹かれて探し始めたんです。当時、京都の北野にあったTHE GLASSES(後のG.B.Gafas KYOTO)で小ぶりのセルフレームを見つけて衝撃を受けて、それからメガネが好きになりました。『これは仕事にしたい』とメガネの専門学校に行き、卒業後に京都駅の地下にあるメガネ店で1〜2年勤めた後に、今の会社に転職したんです。最初のお店は本社から送られてくるメガネを売るような感じでしたが、G.B.Gafasではデザイナーと密な関係をもてたので、彼らの想いや考えを接客に活かせました。それがすごく勉強になりましたね」

なるほど。それゆえにオネ……いやなんでもないです

安い・高いに二極化するメガネ業界
そうじゃないところを作りたい。

イメージ画像 2-1 特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん 撮影:藤井たかの

こちらが写真もデザインも自前という、クラシックメタルのリーフレット。スタッフのみなさんがタイドアップしてメタルを掛けこなしている姿が、なかなか参考になります。

イメージ画像 2-2 特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:03 G.B.Gafas KYOTO 岡田卓也さん 撮影:藤井たかの

岡田さんのお気に入りはオリジナルブランド、フィッシュ&チップスの「PANTO」のセル巻き。「同じモデルをもっていますが、セル巻きが後から出て……こっちを買えばよかった」

ところでG.B.Gafasのコンセプトは「カウンターカルチャー」ですが、どういう意味なんですか?

「いまメガネはファストな3プライスショップと、高いイメージがあるセレクト系に二極化していて中間がありません。私たちはその中間を作りたいんです。デザインは高感度でも、価格はあまり高額ではないものを提案することで、おしゃれをしたいけどあまりお金を出せない若い子にいいメガネを知ってもらいたい。例えば、西海岸のカルチャーに影響を受けたブランドNEW MANなら9450円代からフレームがあります。もちろん量産では作っていません」

イエローズの山岸稔明さんが手掛ける新ブランド、エクレクもまさにそう。繊細な彫金がウリとなるクラシックなメタルは、製造工程の手数が多くて高額になりがち。でもエクレクは昔のマスター(金型を作る元の型)などを流用するから価格が抑えられる。そのうえ、昔のマスターは職人による手彫りが主流だから、エングレービングが圴一になりすぎず、味わい深いアナログ感がでる。ちなみに、トレンドはプラ枠からメタルに移行すると言われていますが、僕はメタルに乗り切れずに中間のコンビフレーム止まりです。ぶっちゃけ、メタル掛けると老けませんか?

「メタルは一見、難しそうですが、上手く取り入れれば絶妙なアクセントになります。そうですね、ネクタイと合わせるのはどうでしょう? アイビーやトラッドなファッションの流れから、タイはカジュアルでもいけます。例えば、スウェットの中にシャツを着てタイドアップして、そこにメタルを合わせるとカチっとした印象でマッチします。うちではメタルフレームのコーディネートを集めた自前のリーフレットも作っていて、スタイルを含めてトータルで提案しています。もちろん、ネクタイを売りたいわけじゃないんですけど(笑)」

なるほど、いいこと聞いちゃった。これからの時代はメガネ単体ではなく、周辺のファッションやカルチャーなんかをひっくるめてプレゼンした方が、世界観が伝わるかも。さて、かれこれ10年ぶりに岡田さんとガッツリお話ししましたが、深いメガネ愛は未だ変わらず。20年後もこんなメガネトークができるといいな。

インタビューを終えて。

岡田さんって、ファッションやメガネに詳しくて“隙がない人”だと勝手に思っていたけど、意外と“ヌケている”ところがあるみたい。でも接客するうえではそれが親しみやすさにつながるのかな。あと、初めて京都店にお邪魔しましたが、相変わらず内装がいい! アンティークとモダン、むく材と鉄骨などいろんなものがMIXされていてギャラリーのような空間。見ているだけでワクワクします。

G.B.Gafas KYOTO(ジービーガファス京都)

G.B.Gafas KYOTO(ジービーガファス京都) イメージ

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