メガネコラム:007 めんそーれ!!「オプティコ グシケン」 [前編]

国際通りは土産物屋や飲食店、ショップが並ぶ沖縄のメインストリート。

「オプティコ グシケン」は国際通りのドン・キホーテから東へ約1分、イイ味出してるウッドの緑の扉が目印。

オーナーの具志堅浩章さんは駒沢大学を出た後に、メガネの専門学校に行き、その後、沖縄で店を継いだとか。

日本全国の知られざるメガネ屋巡りをフィールドワークにしている僕ですが、今回は日本の最南端、沖縄にやってきました！ そもそも「沖縄にメガネのセレクトショップがあるのか？」と、疑問だったんですが、ちゃんとありましたよ。観光客で賑わう国際通り沿い、緑のドアが目印の「オプティコ グシケン」です。そしてオーナーはやっぱり具志堅さんでした〜！ さっそくですが具志堅さん、お店はいつ頃オープンしたんですか？　

「もともと母が1960年代頃からメガネと時計が中心のお店をやっていたんです。当時、沖縄は本土復帰前で『観光戻税』があったので香水などの観光客向けの商品も一緒に売っていました。その後、徐々にメガネのウェイトが増えていき、1989年に私が店を継いでメガネ1本になって。90年代後半の沖縄ではハウスブランドのメガネはまだまだ買えない状態で、そういうメガネが沖縄でも買えるようにと1998年にいまのセレクトショップの形態にしました」

98年にセレクトショップにしたのは結構ハヤいですね。そもそも沖縄にこういうお店ってあるんですかね？

「少ないと思います。いま沖縄にはメガネ屋が約150店舗ありますが、昔に比べてだいぶ淘汰されています。しかも、いい店も淘汰されてるんですよ。国際通り沿いにデッドストックのカザールやローデンストックをガッツリ集めた、おじいちゃんがやっている店があったんですが……今はなくなりました」

う〜ん……もったいない！ クラシックブームの今ならもっと需要がありそうなのに。で、失礼な話、沖縄の街をプラプラしたんですが、ちゃんとしたメガネを掛けた人を見かけないんスけど……。

「沖縄は県民所得が低く、外で仕事をされる方も多いこともあって、やっぱり安いメガネにいっちゃうんですよ。安いメガネを否定しませんが、いい大人がお洒落するときはちゃんとしたメガネを掛けてほしいです。ただ、最近は少しずつメガネファンが増えてきました。うちの場合、10年以上前はグッチやアルマーニなど、“わかりやすいブランド”を探されるお客さんが多かったんですが、最近はフォーナインズやオリバーピープルズなどブランド指名買する人が増えています」

白を基調とした店内は、良い意味でアメリカらしいジャンクな雰囲気がミックスされています。

主力商品のフォーナインズ。メッキの品質が高いから錆びにくいとか。

さて、「オプティコ グシケン」の店内にはフォーナインズやBJ クラシック コレクション、エフェクター、イエローズプラス、スペックエスパス、アッシュ、オリバーピープルズ、モスコットなど人気ブランドが並んでいます。沖縄で売れるメガネの傾向ってあります？

「沖縄って暑いじゃないですか。日差しも強いからすごく汗をかく。それに台風が多くて、日頃から風や潮風にさらされるので、とにかくメガネがサビやすいんです。だからサビにくいチタン系のフレームがオススメです。なかでもフォーナインズは表面処理がしっかりしているから、錆びにくくてメッキもはげにくいんです」

クルマ同様、沖縄ではメガネも錆びるんですね。

「錆びますね、あと耳のあたりがカブれたり。某高級ブランドの高価なメガネも、1年でボロボロになったこともありますよ。あとプラスチック系のフレームもすぐに白くなりやすいです」

メガネにとってかなり過酷な環境ですね。では、フレームではどんなデザインが人気ですか？

「沖縄人って顔が濃いんです、悪く言えばクドい。丸顔で鼻が低くて、目がギョロッとしていて、眉毛や髭も濃かったり。そのため、ヨーロッパ系の派手なフレームを合わせると滑稽になることがあるんです。フォーナインズはそのへんのニーズにマッチしていて、デザインがシンプルでフロントの横幅が広いのでうちではいちばん人気です」

沖縄でもフォーナインズ強し！ ただ、偏ったメガネ趣味をもつ自分的にはそれだと当たり前すぎて面白くないっつうか……。後編ではもっと踏み込んだ話を聞いてみます！

後編に続く。