祝50周年!「シルモ・パリ」に見る、2018最新メガネトレンド、伝説のシルモドール授賞式も!
メガネコラム : 025
祝50周年!「シルモ・パリ」に見る、2018最新メガネトレンド、伝説のシルモドール授賞式も!
世界最大級のメガネ展示会「Silmo Paris(シルモ・パリ)」が2017年10月6日〜9日に開催!
今回は4日間の現地取材で見えてきた2018年の最新メガネトレンドや、
見逃した方も多いであろう、伝説のシルモドール授賞式の模様をお届けします!
世界最大級のアイウェアの祭典で
今後のメガネトレンドが決まる!
毎年秋にフランスで行われる「Silmo Paris(シルモ・パリ)」。1967年にスタートし、今年で50周年をむかえる世界最大級のメガネ展示会です。名立たるアイウェアブランドが新作を披露し、シルモで来年のメガネトレンドが決まると言われるほど、メガネ業界人が注目しているアイウェアの祭典なのです。
そして、昨年に続いてやってきました、パリです!
「シルモ・パリ」はシャルル・ド・ゴール空港から近い「パリ ノール ヴィルパント見本市会場」で開催。ホール5とホール6の会場2つを使用し、アイウェアブランドや光学機器メーカーなど、メガネ関わるあらゆる企業が957社が出展しています。
向かうは、名だたるデザイナーズブランドが集結するホール5。会場内には各ブランドが趣向を凝らしたブースを構えて新作を披露し、訪れたバイヤーたちはどの商品を入荷するかの商談を行います。そう、「シルモ・パリ」は新作発表の場だけでなく、“ガチな商談の場”でもあるのです。
会場は天井が高くて開放的で、とにかく広い! ホール5は中央に庭があり、そこを目印に大まかな位置を掴むのですが、気がつけば迷子になりがち。そして毎年、ホール5の庭のまわりに良いブランドが集まっています。
いま、ヨーロッパで
勢いのあるブランドはどこだ?
どのブランドもブースの見せ方にじゃ力を入れています。シャンデリアが吊るされていたり、グリーンとベンチが用意されていたりと、ブランドの世界観を表現しているのです。
ちなみに、海外ブランドで勢いを感じたのは、Orgreen(オルグリーン)、Garrett Leight(ギャレットレイト)、LINDBERG(リンドバーグ)、MYKITA(マイキータ)の4ブランドです。
デンマーク生まれのオルグリーンは、ブースの規模や派手さ、訪れるバイヤー数も圧倒的に多い。3Dプリンタを使った新作もユニークでした。ギャレットレイトは、木や植栽を上手に使った、ゆる〜い感じのブースでカルフォルニア感がよく出ています。また、今年のリンドバーグは、バイヤーのアポイントがなかなか取れないほどの盛況ぶり。マイキータはいわずもがなですが、話題性の高いコラボモデルや攻めたデザインなど、ラインナップが充実。
日本のブランドも検討していました。勢いを感じたのはYUICHI TOYAMA.(ユウイチトヤマ.)。「シルモ・パリ」には今年で5回目の出展となりますが、ヨーロッパ諸国にセールスレップのチームがあり、バイヤーがひっきりなしに訪れていました。のれんを使ったブースは日本を感じさせるつくりです。
また、MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)の新作コレクション「erase」シリーズも大きな話題に。消しゴムで鉛筆のラインを消したようなデザインで、目元に入るアンダーラインが大きなインパクト生みます。こういった強いアイデアは海外での受けが良さそうです。
アイシー!ベルリン、マイキータ創業者による
“第3のシートメタル”とは!?
お次は、個人的にいちばんグッときたブランドを紹介。ドイツの新ブランド「Haffmans&Neumeister ハフマンス&ノイマイスター」です! 創業者はic! berlin(アイシー!ベルリン)やMYKITA(マイキータ)を立ち上げた、かのフィリップ・ハフマンス氏。実は会場であらゆる日本人バイヤーから「絶対に見ろ!」と言われていたブランド。でもポスターのビジュアルを見る限りは「マイキータのそっくりさんじゃん」と思っていたんです。……でも実物を見て驚きました!
レンズシェイプやライン、厚みなど、一部の隙のないデザインで、佇まいやディテールの美しさは圧巻! ネジを使用しない新蝶番も搭載されています。
シートメタルのパイオニアであるハフマンス氏は、これまでアイシー!ベルリンやマイキータを世界的ブランドへと成長させ、その後になぜか辞めてしまうのです。想像ですが、ブランドが大きくなって自分がやりたいことができなくなると、自分からいなくなるという、根っからのクリエイター気質なのでは? そんなハフマンス氏が「自分たちの好きなメガネを作るため」に、弟のダニエル・ハフマンス氏とジャン=ピエール・ノイマイスター氏(写真)と立ち上げたのがハフマンス&ノイマイスターなのです。
ノイマイスター氏は、子どもが自慢のオモチャを見せるかのように嬉しそうにフレームを見せてくれて、まるで高級時計でも扱うかのように丁寧にフレームを紹介してくれました。そんな姿勢から、「この人たちは本当にメガネが好きで、ビジネスよりも大事にしていることがある」と感じました。
とにかく、これまでにないシートメタルです。アイシー!ベルリン、マイキータに続く、“第3のシートメタル”と勝手に呼んじゃいます!
また、「シルモ・パリ」で見えたメガネのトレンドは「細い薄い軽い」。ヨーロッパの人たちは新しい素材や技術を積極的に取り入れていて、ワイヤー系のメタルフレームやシートメタル、3Dプリンタによる樹脂フレームなどが主流に。フロントシェイプは昨年に引き続き、ダブルブリッジがトレンドです。
幻想的すぎてもはやSFの世界!
伝説のシルモドール授賞式に潜入
さて、「シルモ・パリ」の楽しみといえば、「Silmo d'Or(シルモドール)」の発表です。“メガネ界のアカデミー賞”とも呼ばれるシルモドールは、フレームやサングラスなど、さまざまな部門で世界一を決めるメガネの国際的なデザイン・アワード。今年はフレーム部門やサングラス部門が、デザインとトレンドに分かれて、さらに「50周年特別賞」も設けられ、全部で13部門に増えました。
今年は会場も凄い。1900年にパリ万国博覧会のメイン会場として建設されたグラン・パレです! 100年以上の歴史を誇る美術館は、外観からしても圧倒的な存在感!
タクシーで会場に着くと長蛇の列。みんな「メガネの世界一が決まる瞬間を見逃すまい」と、この場に訪れていました。この場所でシルモドール授賞式を行おうという、主催者側の気合がもビンビン伝わってきます。
すわっ! 会場に入ると3mをありそうな、“竹馬女子”がお出迎え。
……幻想的でサイバーな空間は、もはやSFの世界。
会場を歩いていると、中央あたりに円形の広場を発見。うん? 天井になに仕掛けがあるようです。
なんと会場の天井にカメラが仕込まれていてモニターに。円形の広場は上から見ると「目」の形になっていたのです!
おや? 今度はFACTORY900(ファクトリー900)のデザイナーである青山嘉道さんに遭遇。過去に2回シルモドールを受賞した青山さんは、「ノミネートされて招待されないと授賞式には出席しない!」と豪語していたのに。青山さん、何故?
「いやー、うちのスタッフがシルモの会場にあったスロットマシンをやったら、シルモドール授賞式の招待状があたって。はっはっは。それで来れたんですって。でも来てよかった。さすが50周年は気合の入り方が違うし、やっぱり垢抜けていますね。これは一見の価値あるなー!」(青山さん)
スロットで招待状をゲットするとは、さすが「持っている男」は違います。そうこうしているうちに広場のモニターでカウントダウンがはじまり、過去のシルモ50年を振り返るアニバーサリー・ビデオが流れ始めました。俄然、テンションが上がります。実際に流れた動画はこちら!
今年からシルモの新会長となったアメリ・モレルさんが壇上にあがり、いよいよ授賞式のはじまりです! ビジョン(レンズ)部門や子供用部門など、部門別に次々とグランプリが発表されていき、受賞者が次々と舞台に。
個人的にはフレームイノベーション部門で、オーストリアのROLF(ロルフ)がグランプリを受賞したのがうれしかったです。シルモドール各部門の受賞はこちら。
そして、受賞者全員が集まってのフィナーレへ。今年は会場の世界観やスケールが圧倒的! 伝説的なシルモドール授賞式となりました。
さて、50周年を迎えた2017年の「シルモ・パリ」、来場者数3万7337人と前年比で10.5%アップ。怒涛の4日間でしたが、シルモ会場のどこかで見た数字が今も印象に残っています。
「1967-2017-2067」
50年後の100周年も、シルモを取材したいですね!
■Silmo Paris information
- 2018年9月28日(金)~10月1日(月)に開催予定
- 「Silmo Paris(シルモ・パリ)」
- https://en.silmoparis.com
- シルモの日本語版Facebookページ
- 「Silmo Paris」
- https://www.facebook.com/SilmoJapanOfficial/?fref=nf
- シルモのエントリーも手伝ってくれる
- 「フランス見本市協会」
- http://promosalons.cc