特集:そうだ、あの人に会いに行こう。 file:11 opt duo・山岸 誉さん・毛利勝博さん・齊藤健志さん(前編)

思う存分 メガネトークがしてみたい!
そうだ、あの人に会いに行こう。
メガネのことは大好きだけど、それ以上にメガネの話をするのが好き。
そこで、これまでお世話になった人や、自分が好きな人に会いに行き、
思う存分“メガネトーク”をするインタビュー連載を始めました!
file : 11 | opt duo 山岸 誉さん・毛利勝博さん・齊藤健志さん
(前編)
マツケリを日本に広めた影の立役者と
イケメン敏腕デザイナーが集結!
スペックエスパスとエイチ-フュージョンの2ブランドを手掛けるオプト.デュオ。1993年に福井県鯖江市に設立され、2001年のスペックエスパス創設当初はデザイナーの山岸 誉さん(右)とご家族で経営されていましたが、現在は毛利勝博さん(中)と齊藤健志(左)さんが加わり、3人体制で仕事をしているとか。……にしてもみなさん仲がいい!
山岸「ありがとうございます。やはりいい環境がないといいものは生まれないと思います」
齊藤「僕は部活をひきづっているようなイメージがあります(笑)。割と縦社会のしっかりした」
ぜんぜん縦っぽく見えないですよ、“付き合ってるんじゃないか?”って疑うくらい仲良くみえます(笑)。ちなみにどうやっていまの体制に?
山岸「2004年に福井豪雨という水害があって、当時の仕事場が壊滅状態になって。そのときに毛利がボランティアとして手伝ってくれたんです」
毛利「僕は以前、メガネの材料商社でマツケリ(伊の生地メーカー)の担当をしていましたが、山岸くんのことは卸の関係でスペックエスパス立ち上げの頃から知っていていました」
山岸「当時はイケイケでしたからね(笑)。毛利が担当をしていた10年以上前って、マツケリは生地が柔らかくて変形しやすいって言われていたけど、バンバン売ってたし」
毛利「僕がマツケリの代理店で営業をはじめたときは、フォーナインズさんやボストンクラブさん、金子眼鏡さんなどが手掛けるハウスブランドが全盛になる前の時代でした。そこで、マツケリの付加価値を上げようと、金子眼鏡さんやボストンクラブさんに積極的に売り込んだんです。当初、マツケリの日本シェアは10%なかったんですが、ピーク時には40%くらいまでもっていったと思います」
山岸「サラリと自慢を入れてきた(笑)」
毛利「そういうこと言うなって(笑)。で、福井豪雨の手伝いをきっかけに新しいブランドに掛けてみようと思ってオプト.デュオに入社しました」
ではイケメンの齊藤さんは?
齊藤「以前はメタルのOEMを請け負っているメガネメーカーで働いていました。日本や中国に何百人も社員がいるような大きな会社で、そこで設計やデザインをやっていました。その頃にSSID(鯖江市立インテリジェントデザイン講座)に通い、山岸さんと知り合って。10年くらい前ですね」
山岸「彼はSSIDでも超エリートだったんですよ。市議会のコンペで賞をとったりして」
齊藤さんってイケメンで性格良くて、デザイナーとしても優秀で非の打ち所がない……完全にできすぎ君じゃないですか!
毛利「まさかパチンコするようには見えない(笑)」
齊藤「……えぇ、まぁ。SSIDに通っていたときから、スペックエスパスや山岸さんのことは知っていて、以前からブランドの仕事に憧れていたので、2007年に入社したんです」
立体デザインのスペックエスパスと
クラシック路線のエイチ-フュージョン
ところで3人の役割分担ってあります? 僕は山岸さんがデザイナーで、コミュ力の高い毛利さんが営業担当、齊藤さんがイケメン担当と勝手に思っていました。齊藤さんは、常にほくそ笑んでいれば良いと(笑)。
毛利「明確な分担はありませんが、僕はもともと材料商社にいたので鯖江の工場はだいたい知り合い。コネクションもあったので、入社した当時は鯖江の工場を中心にまわっていました。それが確立してきて窓口が僕じゃなくても大丈夫になってきたので、今は齊藤にも生産管理や工場とのやりとりをやってもらっています」
山岸「いまは毛利企画、齊藤企画みたいに各セクションで仕事を行っています。例えば、次のiOFTだとスペックエスパスとして何をつくろうかとみんなで企画から考えるんです。『ヒンジレスのセル手で小さい玉型がみんな欲しいと言ってるよ』って話があるから、一型はヒンジレスのセル手で小さめを作ってみようとか。企画が決まってからみんなで玉型を出しあってどれでいくかを決めていきます」
なるほど、デザインではなく企画から入るんですね。最近はヒンジレスで立体デザインのスペックエスパスと、クラシック路線のエイチ-フュージョンと住み分けができてきましたね。
山岸「ブランドをつくるなかでポジショニングは重要視しています。ここ数年クラシックがトレンドですが、スペックエスパスはそことは違う近未来的なスタイリングで空間をつくり出す造形に主軸をおいています。アウトドアやスポーツに位置づけてくれているお店さんもあります」
毛利「エイチ-フュージョンはライトシリーズをつくってからバリエーションが増えました。ライトは“普段着や気軽さ”などの意味、価格も少し安い設定でレンズを入れても2万円代後半が可能です。エイチ-フュージョンで若者需要を掘り起こして、将来的にメガネ文化を残していきたいと思っています」
3プライスとセレクト系の中間ですね。いまはモスコットも2万円代前半だから、狙うなら思い切って1万2000円とかで売ってほしいッス。3プライスの話が出たので、後編では業界の話を聞きましょう!
後編に続く
インタビューを終えて。
それにしてもみなさん仲がいい。学生時代の友だちのような関係でちゃんと仕事がまわっているのがうらやましい。寡黙な看板デザイナーの山岸さん、コミュ力の高い毛利さん、ただただイケ面の齊藤さん。なかなかいいバランスではないでしょうか?